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被爆後の広島市全景(航空写真)、焼土となった市街からまだ余じんがくすぶっている。 |
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〈水 道〉
家屋焼失とともに配水・給水装置が壊滅。八万一千戸への給水装置は千戸分が作動しているだけ。取水場の被害は軽かったが、取水ポンプ室などに相当の損害を受けている。牛田浄水場では木造の事務所が倒壊。ポンプ室や量水施設、塩素滅菌装置が被害を受けた。
軍は「市民生活の保健・衛生、防火、飲料水の絶対確保」を緊急に命令、取水・浄水施設の応急補修に取り掛かった。
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〈通 信〉
警察電話は県警察部の焼失で全県下の通信連格が不能になっている。東警察署に仮移転して防空本部を開設、七日にも警察電話の架設を完了する。市内の逓信電話はすべて焼失し、復旧の見込みは立っていない。現在、海田、可部、廿日市の各町から各県への通信連絡を図っている。 |
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〈電 気〉
爆心から八百メートルの中国配電本店(小町)は鉄筋コンクリートの外郭を残して全焼した。中国配電大洲製作所は、爆風により工場の屋根とすべての窓ガラスが吹き飛ばされた。同製作所大手町工揚は、隣接の大手町変電所とともに焼失した。市内への配電はすべて止まっている。
比較的被害の少なかった段原変電所を応急補修し、七日にも被害の少ない宇品方面に送電を再開する見込み。県警察部は、住民に安心してもらうために早期の配電再開を要請した。軍関係・水源地・病院・電車・新聞社・瓦斯会社・主要工場への送電再開を特に急ぐ方針である。 |
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〈瓦 斯 (ガス) 〉
爆心から三百五十メートルの広島瓦斯の本社(大手町三丁目)は爆発とともに崩壊し、山口吾一社長をはじめ出勤していた約三十人の社員が死亡。広島工場も強烈な爆風で倒壊し、火災に巻き込まれて瓦斯ホルダーや瓦斯炉、制圧機室などの耐火構造物が残骸をとどめるだけの状態。市内の瓦斯供給は完全に止まっている。同社は、生産・供給設備の約六割が損害を受けたと推定。地中深くに埋設されている本管・高圧本管の被害は軽微とみている。
また、瓦斯事業統制の協議のため市内に宿泊していた岡山・水島・鳥取・下関の各瓦斯会社と、松江市瓦斯局の幹部十人が死亡した。 |